コアバンキングシステムは、数十年にわたり銀行業務の中核を担ってきました。しかし、デジタルイノベーション、規制の変化、顧客の期待の高まりにより、銀行を取り巻く環境がかつてないスピードで変化する中、多くのレガシープラットフォームは対応に苦慮しています。
その結果、多くの銀行が、既存のコアシステムが顧客の求める体験を提供するための足かせになっていると痛感しています。その主な要因は以下の通りです。
複雑性 – 買収や事業売却を繰り返したことで、コアバンキングのアーキテクチャは複雑かつ非効率なものとなっており、新たな規制要件への対応がさらにその複雑さに拍車をかけています。
柔軟性 – 信頼性を重視して構築された従来のコアバンキングシステムは、老朽化したメインフレームアーキテクチャに依存しており、専門技術者の減少も相まって、技術スタックの変更には多大な時間とコストがかかる状況です。
機能性 – 変化する顧客ニーズにより、レガシーコアの限界が露呈しています。リアルタイムの取引通知、支出傾向の詳細な分析、迅速な製品開発といった現代の期待に応えられないシステムが多く存在します。消費者は、なぜ既存の銀行がデジタルチャレンジャーと同等のサービスを提供できないのかと疑問を抱いています。
こうした課題に直面し、銀行の運営責任者たちは変革の緊急性を認識しています。アクセンチュアの「2018年北米銀行業務調査」によると、銀行リーダーの80%が、柔軟性を高め、迅速なイノベーションを支える技術へ刷新しなければ、組織の存続が脅かされる可能性があると考えています。
一部の銀行は、レガシープラットフォームへの短期的な投資や「コアの空洞化」によってイノベーションのギャップを埋めようとし、市場の進化に合わせて時間を稼いできました。しかし、ここ数年、より恒久的な解決策として「クラウドネイティブなコアバンキング」が有力な選択肢として浮上しています。このアプローチは、前述の懸念の多くを解消し、新しいチャレンジャーバンクと競合できる、拡張性の高いAPI主導のコアを銀行に提供します。
クラウドネイティブなコアバンキングが目指すべき到達点であるならば、次に問われるのは「そこに到達するためにどのようなステップを踏むべきか」ということです。
「ビッグバン」移行を超えて
コアバンキング変革において最も複雑かつ高コストな要素の一つが、レガシーシステムからターゲットシステムへの移行であり、プログラム全体の費用の平均約40%を占めています。
この困難なタスクは、新技術のメリットを享受し、レガシーシステムの制約から解放されるための大きな障壁となっています。
アクセンチュアは、次世代クラウドネイティブ・コアバンキングソリューション「Vault Core」を提供するThought Machineと提携し、クラウドネイティブなコアが銀行の日常業務にどのような利益をもたらすか、また、そこに至るまでの移行リスクをいかに低減できるかを検討しました。Vault Coreをユースケースとして、クラウドネイティブなコアへ移行する際の利点を以下のように特定しました。
自動化されたAPIロード:Vault CoreのData Loaderサービスは、データロードを完全に自動化する単一の移行APIです。これにより、従来の手作業によるステップやロードプロセスの中断が不要となり、リスクを低減するとともに、移行スケジュールの簡素化を大幅に実現します。
データ依存関係の管理:Vault CoreのData Loaderは、高度に構成可能な依存関係システムに基づいてデータロードの順序を自動的に調整するため、銀行は移行対象の全データを一度に送信できます。データファイルを順次ロードする必要がなくなるため、このアプローチにより移行作業の複雑さと所要時間が削減されます。
リアルタイムの照合:Vault CoreのストリーミングAPIは、ロードやアクティベーションを含むすべてのデータベース変更に関するメッセージをリアルタイムで提供します。これにより、財務および業務上の照合にかかる時間が短縮され、チームは本番稼働前に結果を分析し、対応するための時間をより多く確保できるようになります。
タイムトラベルおよびシミュレーションテスト:Vault Coreは、過去および将来のスケジュールされた商品動作(利息の発生、日次締め処理、入金トランザクションなど)を圧縮されたテスト内でシミュレートできます。これにより、銀行は移行後のポジションや商品の動作を、ソースシステムの過去の実績データと照らし合わせてバックテストすることが可能です。その結果、複雑な複数日のサイクルをテスト・検証する時間を短縮し、通常であれば本番環境に近い環境で長期間のテストを要する機能的またはデータ上の問題を早期に発見・解決できるため、本番移行に向けた確信度が高まります。
柔軟なカットオーバー設計:Vault Coreでは、データを休止状態で本番環境にロードし、デルタ更新で維持しながら、個々のアカウントレベルで柔軟なグループに分けてアクティベートすることが可能です。これにより、データのロードと、顧客や行員にとっての「本番稼働」を切り離すことができ、顧客への影響と移行の複雑さを最小限に抑えられます。
最初の一歩を踏み出す
現在、多くの銀行がクラウド移行の先行者となることへの意欲と、失敗した場合に顧客に多大な影響を及ぼすリスクとの間で慎重なバランスを模索しています。世間を騒がせた移行失敗の記憶は今も銀行業界に深く残っており、だからこそ、円滑な移行を実現するためには適切なツールと戦略の採用が不可欠なのです。
先見性のある銀行は、クラウドへの移行が莫大なコスト効率をもたらし、より優れた顧客体験を創出することを認識しています。また、この変革を先延ばしにできないことも理解しています。変化のスピードと顧客の要求が高まる中、銀行は将来に備えて今すぐ行動を起こす必要があります。経験豊富なシステムインテグレーターと提携することで、クラウドネイティブなコアバンキングの導入を加速させ、リスクを軽減し、そのメリットをより早く享受できるようになります。








